EPISODE#53「自らのために生きよ」
海辺でアーロンをあやすクレアを見つめるデズモンド。
しばらくして彼はクレアに話かける。
「ここの屋根はまずいな。しばらくビーチの方へ行ってくれないか。私が直しておくから」
状況がつかめないクレアは、戸惑いながら「ちょうどアーロンが寝たところだから」と断るが、デズモンドも引き下がらない。
そこへ、めざとくやってきたチャーリーが言う。
「俺が直すからべつにいいよ」
仕方なく、引き下がるデズモンド。
TVアニメを見せられている水槽の中のジャック。
ご機嫌斜めで、食事を持ってきたジュリエットに噛み付く。
「アニメはもういいから、拘束の目的を話せ」
それには、とりあわないジュリエットだったが、そこへベンが"緊急事態だ!"と彼女を呼びにくる。
ソーヤーとケイトを労働に連れ出しに来た男たちも無線で呼び戻される。
そう、ヨットを襲ったチームの潜水艇が戻り、サンに撃たれ、重症のコリーンを運び込むための騒ぎだった。
「なにごと?」と問うケイトに、「俺らの仲間さ、やったのは」とにやつくソーヤー。
「逃げ出すチャンスだぜ」
檻の中でなにやら始めたソーヤー。
仕掛けで出てくる飲み水で水溜りを作り、ボタンを押したときの電気ショックを使って、連れ出しにきたヤツを感電させ、パニックになった隙に鍵をかすめとるという作戦。
そんなソーヤーに、ケイトはあきれているのやら、感心しているのやら?
すると、ソーヤーの檻にベンが現われる。
檻に近づいたベンの腕をつかみ、足でボタンを押すソーヤー。
しかし、電気ショックは起こらない。
そう、一部始終を監視モニターでチェックしていたベンは電源を切っていたのだ。
逆に、警棒で殴り倒されるソーヤーだった。
ソーヤーの過去が回想され。。。
アザーズたちの話し声で、目を覚ましたソーヤー。
しかし、そこは見知らぬ室内で、台の上に縛り付けられていた。
ひとりの男が近づいてきて、「これを噛め」と言って棒をソーヤーに咥えさせ、長い針の注射器を胸目掛けて刺そうとする。
抵抗するソーヤーだったが、縛られていてはいかんともしがたく。。。
再び目を覚ましたソーヤー。胸にはなにやら手当ての跡が。
すると、ベンがウサギの檻を持って部屋に入ってくる。
ベンは檻を強く揺すり、ウサギを興奮させようとするが、なぜかウサギは死んでしまう。驚くソーヤーに、
「ペースメーカーは知っているな。このウサギには心拍数が上がると作動し心臓を破裂させるペースメーカーを埋め込んだんだ。」
そして、腕時計型の心拍計をソーヤーの腕につける。
「君ぐらいの体重、年齢だと通常の心拍数は70、興奮すると140にもなる。そうなるとペースメーカーが作動して心臓が破裂する。その心拍計は125を越えたらアラームが鳴るから、そのときはリラックスをした方がいい」
ニヤリとするベン、怒りをかみ殺した表情で彼を睨みつけるソーヤー。
「そうそう、ケイトだが、このペースメーカーのことや我々が監視していることを彼女に少しでも示唆したら、彼女にも同じものを埋め込むからね」
ここに至って万事休すのソーヤーだった。。。
檻に戻されるソーヤー。
心配するケイトになにも話すことはできず、冷たい態度をとるしかない。
アザーズの意地悪か、ケイトにシャワー代わりの水と着替えを置いていったため、ケイトは着替えることに。
ソーヤーは背を向けるが、悲しいかな男の性(笑)、盗み見してしまい、そしてアラーム発令w
シャワー代わりの水をかぶって気を静めます。。。
ソーヤーの過去が回想され。。。
ジャックの部屋に手術着姿のジュリエットが現われる。
コーリンの治療をしていた彼女だったが、不妊治療医である彼女には手に余る状態に陥り、ジャックに助けを求めに来たのだった。
サイレンが響き渡る中、麻の袋を頭にかぶせられ移動するジャック。
ソーヤーとケイトの檻の前を通ったときには、ジャックに気付いた2人が大声で呼びかけるが、サイレンの音にかき消されてジャックには届かない。
手術室の前室に着いたジャックは、手を洗い手術の準備をする間、そこにあったレントゲン写真を目にする。
ベンたちにはジャックの手助けを反対されるジュリエットだったが、ジャックを手術室の中へ促す。
ジャックは的確に処置を行っていくが、時すでに遅く、また機材の不備も重なりコリーンは帰らぬ人となってしまう。
コリーンの夫で、前日ソーヤーに殴られた男の一人であるダニーは、激怒してソーヤーの檻へ。
ソーヤーをケイトの檻の前に連れて行き、ケイトに「こいつを愛しているのか?」と叫びながらソーヤーを袋叩きにする。
興奮することができないソーヤーはされるがまま。たまりかねたケイトは「愛してる。彼を愛してる」と叫んでしまう。
ソーヤーの過去が回想され。。。
檻に戻されたソーヤー。
心配して声をかけてくるケイトにも、相変わらず冷たい態度。
しかし、一計を案じるケイトは檻を上りはじめ、上部の広くなった隙間から檻の外へ脱出する。
慌てるソーヤー。
「なにやってる?いまは様子をみろって言ったろ」
「あんたはなにも言えないくらい怯えて、嘘もついてる。この状況の方がよっぽど怖いわ」とケイト。
ソーヤーの檻の扉のところに来て、錠を石で叩き壊そうと試みる。
仕方なくソーヤーは言う。
「いいから逃げろ。俺のことは放っておけ。行け。俺のことを愛してるなら」
しかし、ケイトは「殴るのを止めるために言っただけ」とつぶやき、自分の檻に戻っていく。
「なにやってる。逃げろ。自分のために生きろ」と声を上げるが、ケイトは檻の中へもどってしまう。
一方、この一部始終をモニター室で眺めていたアザーズたち。
「いつでも殺せる」とうそぶくベンの眼差しは、別のモニターに映し出されているジャックの姿に注がれていた。
手術後、ジャックはコリーンの遺体とともに手術室に閉じ込められていた。
そこへ、ジュリエットがやってくる。
不妊治療医で患者の死になれていない彼女は動揺を隠せず「もっと早くあなたを呼んでいれば。。。」と言う。
「いや、君はやれるだけのことをやったし、初めから手遅れだったのさ」とジャック。
「私を慰めてくれているの?」とジュリエット。
ジャックを水槽部屋に連れ戻そうとする彼女にジャックは言う。
「さっきのレントゲン写真は40才前後の男性の脊椎だ。L4脊椎に大きな腫瘍がある。それで俺はたまたま脊椎外科医だ。俺は誰を救えばいい?」
ジャックがさらわれたのは、そういうわけらしいw
海岸のキャンプでは、デズモンドがゴルフのアイアンを借りて、なにやら仕掛けを作製した模様。
それを見たハーリーは「あれってアート?」と尋ねるが、「ただの実験だ」とデズモンド。
って、どこからどう見ても避雷針でしょ!?(笑)
すると、突然のスコールが襲い、クレアのテント脇のその避雷針に雷が落ちる。
目を白黒させるクレアとチャーリー。
そう、デズモンドの予知能力(?)炸裂ってやつですね。
ソーヤーの過去が回想され。。。
ベンに連れ出されたソーヤーは、なぜか山登りをさせられる。
アラームが鳴り出したソーヤーは「心拍数を上げて、俺を殺す気か?」とベンに毒づく。
しかし、不敵な笑みを浮かべるベンはこう言う。
「君の心臓は破裂しやしないさ。君に埋め込んだのは"疑惑"だけ」
おもむろにカバンの中から死んだはずのウサギを取り出し、
「こいつには鎮静剤を使ったのさ」とベン。
怒り心頭のソーヤーはベンに一発ぶち込む。
口の中を切ったベンだったが、こう言う。
「別に君に見せたかったのはウサギじゃないんだ」
さらに歩を進めると、そこは岬の先端で、海の向こうには大きな島が見える。
唖然とするソーヤー。
「この島はアルカトラズ島(※)の2倍ほどの島なんだ。そして、向こうに見えるのが君たちが住み着いた島。つまり檻から逃げ出しても逃げ延びることはできないんだよ」とベン。
「じゃ、いままでの細工は俺を手なずけるためか?」とソーヤー。
「詐欺師の尊敬を得るには、その上をいく詐欺を働くことだ。君は凄腕だ、ソーヤー。しかし、僕らほどじゃない。ただおもしろかったのは、君が動揺したのはペースメーカーよりケイトのことだった」
睨みつけるソーヤー。
「行こう。檻に戻るぞ」とベン。
※アルカトラズ島とは、サンフランシスコ湾内にある断崖の小島で、脱出不可能と言われたアルカトラズ連邦刑務所があり「ロック」「監獄島」とも呼ばれている。
♯
ソーヤーの回想はさながら"プリズンブレイク"w
なんだかんだ言って逃げ切っていたのかと思っていたのですが、服役してたんですねー。
しかし、得意の手を使って、刑期短縮に成功♪
さらに、娘がいることも発覚します。
ペースメーカーの件は、ソーヤー本人はともかく、視聴者にはフェイクなのはミエミエでしたね。
だって、そんなにカンタンに心臓手術ができるのなら、ジュリエットはあんなに苦労しません(笑)
アザーズのアジトは別島で、そこをどうやってロックが突き止めるのか、今後の展開が楽しみです♪